NEXT ONE[ネクスト・ワン マガジン] MAGAZINE017

1人称ビジネスへの憧れ---創業20周年を振り返る

1997年9月末、中古車の個人間売買ネットワークの構築を夢みて、11年半勤めたリクルートを退職。しかし、ひょんなことから、現在、トヨタ自動車社長の豊田章男さん、副社長の友山茂樹さん(当時は次長と課長)に出会い、彼らが取り組んでいたネットディーラーに対抗するネットワーク作りを手伝うことに。それが今のGAZOO.comの前身です。個人間売買ネットワークというのはネットディーラーのことですから、まさに、「ミイラ取りがミイラになった」ようなもの(笑)。しかも、失業保険をもらいながらの手弁当(無給、交通費も自己負担)での参加でした。

流石にこれはサステナブルじゃないということで、トヨタから労働対価をいただくために設立したのが有限会社宮崎CS研究所です。リクルートの創業を真似て、最初の本社はペントハウスに。しかも新幹線が見える昭和のリクルートらしい本社でした。創業は1998年の6月1日。折しも、日本が初出場となったフランスW杯の開幕直前で、日本中が代表の活躍を願う期待であふれていた頃です。

1998年に作成した会社設立のご挨拶状


写真は創業に当たって作成した案内ハガキです。なんとも、ひどいデザインで恥ずかしい限りです。文面を見ると「自動車流通市場で芽生えつつある消費者を中心とした新しいコミュニケーションを育て、支援するコミュニケーション・サポート事業を開始した」旨を宣言しています。なんとも生意気なことを書いておりますが(笑)、トヨタのGAZOO、G-BOOK(現在はT-ConnectとレクサスG-Link)、Gazoo mura、Gazoo Racingなどの立ち上げのお手伝いを通じて、少なからず「消費者中心のコミュニケーション」という軸はブレることとなく、やってこれたのかなと自負しています。

また、この間、トヨタ以外では、オートバックスセブンのお車買取サービス、NTTレゾナントの「まちgoo」の立ち上げ、日本ユニシスの社内&社外コミュニケーション改革「Club UnisysとHeartware」、JR東日本企画での社内コミュニケーション改善プロジェクト「Jingle」、ゼビオグループのグループ理念および行動指針の策定と浸透といった仕事の中で、コミュニケーション・サポート事業は「コミュニケーションの改善によって、様々な経営課題を解決する」サービスへと進化してきました。

コミュニケーション・サポート事業というのは「情報を伝えたい人(1人称)と情報を知りたい(知らせたい)相手(2人称)の間に立って、わかりやすく、スムーズに、そして、興味深く、印象に残り、行動を駆り立てるエモーショナルなコミュニケーションを支援する」サービスです。ですから、僕はこれをずっと「1.5人称ビジネス」と呼んできました。

思えば、リクルート時代から僕がやってきた求人広告の仕事や広報の仕事は全て1.5人称の仕事でした。リクルートの経営会議で否定された中古車の個人間売買ネットワークの事業だけが例外です。ですから、きっと、僕の心の何処かに、1人称ビジネスへの憧れがあったのだと思います。

2010年の創業15周年のタイミングで「違う場所で違うことをやりたい」と考え、前年から準備を始めた「ビルマの何事?」プロジェクト。そこでは、「今までと違うビジネス」として、迷うことなく、わかりやすい1人称ビジネスの飲食業をやることにしました。そして、思いの外、準備に時間がかかり、開業が遅れましたが、2016年7月22日、僕の54歳の誕生日にTokyo Tomato Caféがヤンゴンにオープンしました。

思っていた通り、1人称ビジネスはめちゃくちゃ面白いです。お客様とダイレクトにコミュニケーションするので、反応もダイレクト。すごく、スピードが早く、でもって繊細で、かつ大胆なコミュニケーションができます。これは1.5人称の立場ではなかなかできないコミュニケーションです。一方、やはりここに来て、言語の壁にぶち当たっています。これまでは、お互いの母国語ではない英語を使って、お客様やスタッフとコミュニケーションして来ましたが、やはりどうしても限界があります。最初は「言葉が通じないからこそ、面白い。やりがいがある」なんて、いつもながらのマゾな発想で楽しんでいましたが、ここに来て、より上のステージを目指す中で、限界を痛感しました。

この壁を打ち破るべく、ミャンマー語の勉強を本気で開始。そして、日本語が堪能で漢字の読み書きもできる秘書を先週、ヤンゴンで採用しました。これに伴い、Tokyo Tomato Caféは新しいステージを目指していきます。詳細は、後日、おいおいご報告させていただきます。

そして、創業20周年を迎えた昨年(2018年)、新しく始めたのが食パン専門店「銀座に志かわ」です。今度は母国語でできる1人称ビジネスです。しかも、扱うのは角食パン1種類1サイズだけ。角食パンなんていうのは、あんな形のものですから、見た目でほとんど差異はありません。当店の食パンはとても美味しいと評判ですが、しかし、食パンですから、そんなに味の違いに大きな幅はありません。そうなると、やっぱり、空気作りが大切。ここで勝負が決まるはず。そんな思いで資本参加を決めました。

おかげさまで。銀座に志かわの食パンは「美味しく食べられる絹のようにしっとりとした耳」「ほんのり甘く、淡雪のような口溶けの滑らかな舌触り」「ふわふわとしていて、頬張ると幸せを感じるプチ贅沢感」「1,000円以下のちょっと気の利いた手土産として最適」とお客様に高く評価いただき、9月13日のオープン以来、行列の絶えることがない人気店となることができました。また、2019年からは全国展開をスタート。1月に大阪市内に銀座に志かわ船場本町店をオープンします。2月には三重県の津市と京都の桂に、3月には西宮と池袋にも出店。月に2店舗くらいのペースで出店していく予定です。

やっぱり1人称ビジネスは面白いです。やりがいがあります。2019年は日本とミャンマーで、これを極めていきたいと思います。

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

2019年 元旦
株式会社ネクスト・ワン
代表取締役 宮崎秀敏

2018年9月13日、中央区銀座1丁目にオープンした食パン専門店「銀座に志かわ本店」。

食パン1本2斤:864円(税込)



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